RPAツールを用いて自動化する際、つど更新されるデータのため
どうやって処理をさせるか悩んだ経験はありませんか。
例えば時給が900円から1000円になって帳簿の計算が変わったり、
購入している備品が値上がりしたため経費の計算が変更されるなどあると思います。
自動化したフローの中でデータが変更になったとき、データの修正が大変手間です。
せっかく自動化したのにデータ修正の労力と時間がかかり、これでは本末転倒です。
自分の作成したRPAで苦労しないために、自動化フローを作成する際、
データの変更に備えて自動化を進めることを心がけましょう。
では一体どうしたらいいのか。自動化を進める上で、
変数、繰り返し、条件分岐アクション、待機設定など便利な機能や存在があるのをご存じですか。
この記事では、RPAを進める上で便利な存在「変数」について解説いたします。
変数を理解し、自動化を進める際に活用して効果的な自動化を進めていきましょう。
1.RPAにおける変数とは?
「変数」という存在をご存じですか。変数は複雑な処理をするときにあると便利な存在です。
変数をイメージするのに、「名前のついた値を入れる箱」と考えると分かりやすいでしょう。
変数は数学で言うx、y、zなどをイメージしてください。
z = x + yという式で例をあげたいと思います。
xに3、yに4を入れるとzは7になります。もしxが4、yが6ならzは10というように、
数字を代入すると結果が求められます。
変数というのは、「値を記憶しておく場所 」です。
この変数に対して、対義語なのが、「定数」です。
定数は1、2、3など数が定まっているとイメージしてください。
なぜRPAで自動化を行う際に変数を学ぶのか
自動化を実施する上で、「変数」はとても便利な存在です。
自動化を実施する上で相性のいい作業は、大量のデータを計算する
またはルーチンの作業を実行するなどです。
大量のデータを入力する際、後にデータが変更になったとき
関連するデータを全て変更するのは大変です。
この手間を減らすのに役立つ考え方が「変数」です。
変数を定義することで、データ変更やデータ整理の手間が減ります。
2.変数の基礎
変数とは
例えばりんごとバナナの買い物をした場合を定数で考えます。
りんご 130円 バナナ 200円 だとします。
Aさんはりんごを5個、バナナを2個購入し、Bさんはりんごを2個、バナナを4個購入しました。
Aさん、Bさんの購入額を計算すると、以下のようになります。
Aさん
130✕5+200✕2 =650+400 =1050円
Bさん
130✕2+200✕4 =260+800 =1060円
もしバナナが値上がりし200円が260円になった場合、皆さんならどう処理しますか。
200円の部分を260円に修正する必要があります。
今回はAさん、Bさんのみなので修正が簡単ですが、もしこれが100人いたらどうでしょうか。
手作業だととても時間がかかります。
こういうときに変数を使います。りんごを変数x、バナナを変数yと定義します。
x=130、y=200とりんご、バナナの値段を変数に「代入」します。
Aさん
5x+2y = 130✕5+200✕2 =650+400 =1050円
Bさん
2x+4y = 130✕2+200✕4 =260+800 =1060円
もしバナナの値段が変更されても、変数yの値を200から260に変更すれば修正は終了です。
自動化業務の際、数値が変更になることは多々あります。
手作業で全て値を修正すると、気をつけていてもミスを起こす場合もあります。
変数を定義する考え方を身につけておくと、修正箇所も少なく済むので自動化を進めやすいです。
変数の種類(型など)
変数には型という考え方があります。型は変数の種類だと考えてください。
変数と言う言葉を聞くと、数を連想される方も多いと思います。
プログラミングでは、文字や文字数、数字を変数の型を宣言することによって、
使用することができます。
次の章では、いくつか変数の型について紹介いたします。
RPA PINOKIOの変数の種類
プログラミングでは、言語ごとに多くの変数の型があります。
多くの変数の型を覚えるのは大変ですよね。
RPA PINOKIOは変数の型が3種類だけなので、多くの変数の型を使い分ける必要がありません。
RPA PINOKIOの変数の型には、以下の3種類があります。
●単一変数
項目を持たない、一つの値しか入れられない変数です。
●データ定義型変数
複数の項目をもつ変数です。
●リスト変数(データ定義型)
項目をもち、さらに複数のデータが入れられる変数です。
この3種類の変数の型を使いこなせるかで、自動化の効率が変わってきます。
3.変数の使い方
変数に型があると学んだところで、
RPA PINOKIOの変数の型(単一変数、データ定義型変数、リスト変数)
3種類の使い方を簡単にご説明いたします。
●単一変数
1.変数一覧ボタンをクリックします。
2.変数一覧画面が表示されるので、左上の「追加」をクリックします
3.以下の項目を記入しましょう。
・変数名
・初期値
項目を入力したら、「OK」ボタンを押します。
4.変数一覧画面の「単一変数エリア」に変数が追加されます。
●データ定義型変数
単一変数とは異なり、「データ定義」を作成する必要があります。
ここではデータ定義が作成されている前提で解説いたします。
1.変数一覧で、「追加」ボタンをクリックします。
2.変数名をつけ、「変数タイプ」項目を「データ定義」にします。「データ定義」項目では作成したデータ定義を選択します。
項目を入力したら、「OK」ボタンを押します。
3.変数一覧画面の「単一変数エリア(データ定義型)」に変数が追加されます。
●リスト変数
リスト変数は、データ定義型変数と同様に「データ定義」を作成する必要があります。
ここではデータ定義が作成されている前提で解説いたします。
1.変数一覧で、「追加」ボタンをクリックします。
2.変数名をつけ、「変数タイプ」項目を「データ定義」にします。「データ定義」項目では作成したデータ定義を選択します。さらに「複数(リスト)である」にチェックを入れます。
項目を入力したら、「OK」ボタンを押します。
3.変数一覧画面の「リスト変数エリア(データ定義型)」に変数が追加されます。
詳しくは次回の応用編で解説しています。
こちらも是非ご覧ください!
いかがでしたか。この記事を読んで、少しでも変数のイメージが掴めたら幸いです。
変数のことは「名前のついた値を入れる箱」や「値を記憶しておく場所 」と覚えてください。
変数を用いれば、入力された値を切り替えることができます。
一度自動化したフローも変数の値を切り替えれば、
似たような業務に対しても調整し使用することができるのがメリットです。
RPAは自動化しておしまいではありません。
自動化後、業務の効率が上がったのか、コストが削減でき、
業務をこなしている人の負担を減らすことができたのかが重要です。
そのためには、自動化後のフローの修正や調整が重要になってきます。
変数を活用し、後の作業のことを考えながらフロー作成を進めることをおすすめします。
PINOKIOは「誰でも使えるRPA」を目指しています
変数を学ぶのはRPA操作の基本。
次は実際にPINOKIOを操作しながら
理解を深めていきましょう。
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是非触ってみてください。