テレワーク導入率の低さから見る中小企業のIT化不足

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毎日のように耳にするようになったテレワーク。
このテレワークという言葉とセットで議論されるようになったのが
日本でのテレワーク導入率の低さです。

日本全国のテレワーク実施者は
パーソル総合研究所が実施した2020年4月10~12日の調査において
全国平均で27.9%
最も導入が進んでいる東京でも50%弱という結果になっています。
参考:パーソル総合研究所ニュース

緊急時のこの数字に驚いたので、
そもそも日本ではどの程度の企業で
テレワークが導入されているのかを調べてみました。
すると、なぜテレワークの導入ができないのかの原因が見えてきました。

世界的なテレワーク導入状況

総務省が昨年5月に発表したテレワーク導入企業の調査では、
テレワークを導入済みの企業は19.1%、導入予定に企業は7.2%と、
そもそも導入可能段階にある企業が全体の26.3%ほどであることがわかります。
この結果を見て、現在テレワークを実施している人が全国平均で約28%となるのも納得できます。
参考:総務省 平成 30 年通信利用動向調査の結果

では、世界ではどのような結果になっているのでしょうか?

最も普及しているアメリカでは
企業のテレワーク導入率は85%にのぼり、
普段からフルテレワークの人の人口がすでに34%いるようです。
ヨーロッパでもっともテレワーク導入が進んでいる
アイスランドでは、33.6%で、
EUの平均が13.5%となりました。
しかしこの背景には、労働時間の短縮を推進するうえで
テレワークをする必要がないという実態もあるようです。
長時間労働が多いアジアでは、
韓国が5.1%、シンガポールが5.4%と、他地域よりもさらに低い数字となっています。
参考:テレワーク情報サイト テレワークの海外動向
※比較年には若干のずれがあります。
 数年前の情報しかなかったため、現在は数字が前後することが予測されます。

データが少ないので少々正確性には欠けますが、世界的にみるとかなりのばらつきがあり、
特段日本が低いというわけではなさそうです
とはいえ、先進国ならば、様々な働き方を取り入れていきたいところ。
特にまだまだ労働時間が長く、
満員電車が常である日本では、テレワークの普及は必要なのではないでしょうか。

IT導入できていない≒テレワークを導入できない

テレワークができない理由として、多いのは、
「勤務先にテレワーク出来る制度がないため」(56.0%)
「テレワークに適した仕事ではないため」(51.1%)
「テレワーク用の執務環境が整備されていない」(36.3%)となり、
業務内容や環境に関する理由が主なようです。

テレワークで多くの人が在宅勤務を行う場合、
家庭での通信環境整備も問題になるかと思いますが、
こちらはどうなのでしょうか?

インターネットの普及率は今や95%を超える結果が出ていますが、
平成30年度に総務省が調査を行った際のインターネット回線種別にて、
業務に支障が出ないくらい上限なく通信を行える
光回線やDSL回線の割合は、約70%となっています。

この両方のデータから見ると、会社の制度や業務環境さえ整えば、
50%ないし、60%ほどはテレワークに対応できそうだと考えることができます。

こう考えると東京のテレワーク導入率の約50%という数字は、
環境整備を急ぐことが必須なのかもしれません。
もちろん小売業など、業務的にどうしてもテレワークを行うことができないと
考えられる業務もあるかとは思いますが、
そこは業務整理や業務改善などを行うと、変えることのできる可能性もあります。

では、制度や執務環境を整えるにはどうするのが良いのでしょうか?
今回は家庭の問題が大きい通信環境は一旦置いておくとしましょう。

日本の企業の大半は中小企業が占めるため、
今後のテレワーク導入率を上げるには
中小企業の業務IT化や業務自動化が、テレワーク導入への鍵となってきます。

普段から業務がIT化されていれば、テレワークを導入するのに、そう時間はかからないのです。
そこで、令和元年版の中小企業庁資料から、
中小企業のIT導入率や、導入における課題を見てみましょう。

中小企業のIT導入率(基幹系情報システム導入率)は一番高い卸売業で30%、
低い飲食業で12%と、軒並み高いとは言えない数字にとどまっています。
ITを導入・利用できない理由としては、

「導入効果がわからない」
「コストが負担できない」
「従業員のスキル不足」

が挙げられています。
対して、国としてはITを導入させようと意向が強く、
「IT導入補助金」といった金融政策を打っていたり、
「セミナー・展示会の開催」などのIT導入を促進するようなイベントも開催されているようです。
参考:中小企業庁 中小企業の身の丈に応じたクラウドサービスの普及支援の在り方について

つまりこれらを駆使していけば、導入する気持ちさえあれば
ゼロの状態からでも導入することは可能といえます。
現に、現在切迫した状況に迫られている企業が、できるところからITを活用し始めた例も、
最近では目にするようになってきました。

IT導入の効果とIT化の方法

最近になって、電子マネーの普及などもあり、
飲食業界などのIT導入率が低かった業界が急いでITを取り入れ始めている状況を見れば、
「導入効果がわからない」ということを理由にIT化することを拒む人は少ないように思いますが、
改めて、IT導入の効果についても言及していきます。

業界によってさまざまな効果や事例が挙げられていますが、共通してみられる効果としては

情報共有がしやすくなる・情報共有の手間が省ける
生産性が上がり効率化が図れる
データの紐づけや管理がしやすくなる

が良く上げられます。
わかりやすい例で行くと、紙やエクセルで行っていた勤怠管理を、システム入力に変更することで、
提出・確認・集計の作業をシステム側が自動で行ってくれるようになり、
この作業に時間を割いていた担当者の工数削減や効率化につながります。

ITの導入事例は一見IT化しにくい飲食業界や介護業界でも上がってきており、
メニューの電子化やクーポンの発行、急なシフト調整へのシステム的対応など、
業界の特徴にあった業務をIT化していくことで、社員の業務負担軽減や効率化につながっている事例が見られます。

私も飲食店でバイトを行っていた経験がありますが、
業後にラミネート加工されたメニューを一枚一枚ふきんできれいに拭く作業を行っていました。
しかし、メニューが電子化されていれば、タブレットの表面を拭き掃除するだけで、
その作業時間はうんと削減できることがわかりますね。

ここでは具体的な効果の事例をすべてお伝えすることはできませんので、
少しでもIT化に興味を持った方は、インターネットでご自分の業界のIT化事例を探してみてください。
事例を見ると、IT化を行うためのモチベーションが一気に上がると思います。

一つの業務でIT化することができるようになると、そのほかの業務もIT化していく流れができてゆき、
どんどんと作業を自動化・効率化していくことができるようになっていきます。

ここまでくると、最初に取り上げた「テレワーク」を導入することも現実的になってくると思います。

IT化とテレワーク、そしてRPA

IT化が進めば、会社に行かなくてもできる業務増えるようになってきますよね?

そう、この段階までくればあとはテレワークにあたってのルールを決めてしまえば、
テレワークは導入できてしまうわけです。
もちろん、フルテレワークができる業界は限られてきてはしまいますが、
業務的に出来なそうだからテレワークはできないと決めつけてしまうのはもったいないです。

IT化を行うにはそれなりの期間が必要なので、まだIT化されていない企業の方は、
これからの柔軟な働き方に備えてできるところからIT化を進めていくことをお勧めします。

ここでさらにIT化と密接な関係を持つ、RPAについて少しご紹介します。

IT化というと、「システム化」することがメインとなってきますが、
システムは一般的に専門知識を持った人がプログラミングという作業を行って作り出すものであり、
IT化においてはほとんどの中小企業が外部サービスを利用すると思います。
しかし、既に作られたサービスだと対応していない範囲があったり、
そのシステムの使用に伴って結局手作業で行わなければならない業務が
発生することが多々あります。

例えば、システムは単体で動いているため、システムの内部に
保存されているデータをもとに資料を作成したい場合は
システムからデータを抽出して、資料に貼り付けるという作業が発生するわけです。
しかも莫大なデータ量がある場合は、
システムと資料を何度も往復して作業を行わなければならないのです。
せっかくIT化を行い、業務効率を上げたのに、
そのシステムからデータを取り出す単純作業を手作業で行うのでは、
余計に手間だと感じる人も出てくると思います。

そんなシステムと人の間の「単純作業」を代行してくれるのが「RPA」です。
IT化を行った後ならば、作業は基本的に紙ではなく、パソコンを使用して行うことになります。
RPAはそのパソコンの画面上で行う単純作業を覚えて、
人の代わりに作業を行ってくれるロボットです。

つまり、IT化さえできていれば、資料へデータを入力する作業さえも人は負担せず、
自動化することができてしまいます。
IT化を行ったり、テレワークを導入する際に行う業務整理は、
このRPAが業務を代行できるかどうかを判断する上でちょうどいい機会となります。
どうせ業務整理に時間を割くのであれば、
これまで以上に効率よく仕事を進められるようにしたいですよね。

こちらの記事では、テレワークにおけるRPAの活用方法も紹介していますので、
興味のある方は、ぜひ読んでみてください。

テレワークでのRPA活用法

それでは、RPAを活用する場合の テレワークの具体的な手順、方法を見ていきましょう。 まずはテレワークのための 環境整備 です。 こちらも大きく3つの項目に分けて解説します。 環境整備 1.働き方のルール化 適切な労務管理 多くの企業が業務ルールを定めているかもしれませんが テレワークの場合、各人のタスク、勤務時間などが見えづらくなる為


まとめ

世界的にみるとテレワーク導入率がものすごく低くはないものの、
日本のテレワーク導入率があまり高くないのは、
IT化が思うように進んでいない現状がいち原因としてあるということがわかりましたね。
数年前から叫ばれている「働き方」の改革を今こそ進めるときなのではないかと感じています。

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