RPA徹底比較:クラウド型 vs インストール(オンプレ)型

メリットデメリット RPA導入編
メリットデメリット
メリットデメリット

2016年がRPA元年と呼ばれており、近年RPAツールの数はますます増えてきています。
各RPAツールにはそれぞれ特徴があるのをご存じでしょうか。
この記事では、RPAツールの提供形態ごとの特徴や得意・不得意作業についてまとめました。

RPAツールの種類は、大きく分けて2つ

RPAツールは、以下の2種類の提供形態に分けられます。
・クラウド型RPA
・インストール型(オンプレ)型RPA

このほかに、クラウド型RPAとインストール(オンプレ)型RPAの
両形態で提供されているRPAツール
もあります。
2種類の提供形態ある場合、好きな提供形態を選択します。

まずこの2種類のRPAの提携形態について解説していきます。

クラウド型RPAとは


パソコンにRPAツールをインストールすることなく、
クラウド上でサービスにログインするタイプです。
新しい機能が随時追加されるため、アップデートがしやすいという特徴があります。

インストール(オンプレ)型RPAとは


自社内のコンピューターやサーバなどにRPAツールをインストールし、
開発・運用する形態を指します。
セキュリティポリシーが厳しい企業は、
インストール(オンプレ)型RPAの自動化と相性が良いです。

1.クラウド型について

1.1.クラウド型の得意分野・苦手分野


クラウド型の得意分野苦手分野
得意分野:WEBクローリング
クラウド型RPAは、WEBクローリング*1のような作業自動化と相性が良く、
またWEBブラウザ上の単純作業の自動化におすすめです。

*1WEBクローリング
Webクローリングとは、自動・機械的にWebページの内容を取得する技術のことです。
(引用HP:Weblio辞書


苦手分野:個々のPCにインストールされているアプリの操作
クラウド型RPAはWEBブラウザ(Google、Yahooなど)上で動作するシステムを指します。
そのため、個人のパソコンのローカル環境における作業は自動化することが出来ません。

1.2.クラウド型のメリット・デメリット



  • メリット1 スケールアップしやすい
     導入コストを抑えてスモールスケールで自動化を始められるため、
     自動化に成功したときはスケールアップが行いやすいという特徴があります。

  • メリット2 端末を専有しない
     クラウド型RPAのロボットはクラウド上で稼働しているため、PCは専有されません。
     そのため、RPAツールを稼働させながらPCで通常業務を行うことが可能です。
     インストール(オンプレ)型RPAは、RPAツールを稼働させるとPC上での作業が困難になります。

  • メリット3 バージョンアップがしやすい
     クラウド型RPAは、クラウドにログインしツールを利用する特徴があります。
     そのためRPAベンダーがバージョンアップを行った際、
     利用者はすぐにクラウドからアップデートできるというメリットがあります。



  • デメリット1 インターネット障害に弱い
     クラウド型RPAはオンライン環境に依存するため、
     インターネット環境に障害が発生した場合、自動化が止まるデメリットが存在します。

2.インストール(オンプレ)型について

2.1.インストール(オンプレ)型の得意分野・苦手分野


インストール型の得意分野苦手分野
得意分野:パソコンで行う業務全般
デスクトップ上にあるアイコンを画像認識で処理し起動することができます。
1台のパソコン上で自動化する場合、自動化できる業務はクラウド型に比べて広いです。

苦手分野:自動化フローを作成したPC環境に依存した作りにしてしまいがち
インストール(オンプレ)型RPAは、作成した自動化フローを他のPC上で動かしたい場合相性が悪いです。
同じRPAツールが入っている場合、動かすことは可能ですが他のPCで不具合が起きる可能性が高く、
個々のPCで自動化フローが動くので管理が大変です。

2.2.インストール(オンプレ)型のメリット・デメリット



  • メリット1 自動化範囲が広い(カスタマイズができる)
     デスクトップ上のシステムを起動するなど、幅広く自動化が出来る点がメリットです。

  • メリット2 自動化技術があれば、自社でカスタマイズが可能
     セキュリティが厳しい企業の場合、自社内にサーバーを立て自動化を行う場合も多いです。
     セキュリティが厳しい企業ではクラウド上での自動化が出来ない分、
     カスタマイズが行いやすいインストール(オンプレ)型RPAを
     選択する企業が多いようです。

  • メリット3 オフライン環境で利用可能
     クラウド型RPAはWEBブラウザを利用するため、インターネット環境に依存します。
     対してインストール(オンプレ)型RPAは社内ネットワークを利用している場合、
     システムが止まることがありません。



  • デメリット1 維持管理費がかかる(クラウド型RPAと比較して高い)
     システムの運用費や開発費がクラウド型RPAよりコストがかかります。
     またクラウド型RPAのように自動的にアップデートされないため、
     手動でのアップデート作業など維持管理費用がかかります。


3.コスト比較

RPAツールによって、値段が様々です。いくつかRPAツールの料金を抜粋いたしました。



RPAツール

タイプ

販売価格

初期費用

サポート



UiPath(ユーアイパス)

インストール
(オンプレ)型/
クラウド

無料(個人使用)・有料の2つのツールを展開

要問合せ




WinActor(ウィンアクター)

インストール
(オンプレ)型

908,000円/年(フル機能版_参考価格)

248,000円/年(実行版_参考価格)

要問合せ




Blue Prism(ブループリズム)

クラウド

1,200,000円/年(1ライセンス)

要問合せ




Automation Anywhere Enterprise(オートメーションエニウェアエンタープライズ)

インストール
(オンプレ)型/
クラウド

1,000,000円/年(税抜)程度から

要問合せ




PINOKIO(ピノキオ)

インストール
(オンプレ)型

100,000円/月

無料




※価格は参考価格となりますので、詳しくは各サービスにお問い合わせください。
※サポートは有償/無償のものもすべて含めて「有」と表記しています。

上記の表の通り、製品によって価格体系もライセンス体系も異なるので、
自社でどのような自動化を行いたいのかを洗い出し、年間で使用するコストを調べると良いでしょう。

初期費用の有・無を確認する


コストで必ず確認して欲しい点があります。初期費用についてです。
RPAツールを提供しているベンダーごとに初期費用が異なります。
またサービス体系の中にコンサルティング料も含まれている場合もあります。

検討の際、初期費用とRPAツールを利用する上での維持管理費用など、
必要な費用を算出しておきましょう。

多くの選択肢があるため、どのツールを導入しようか悩む方も多いでしょう。
その場合は、無料期間や1ライセンスからのお試し導入サービスがあるRPAツールを選ぶことをおすすめします。

いかがでしたか。RPAツール導入を検討する際、自動化したい業務の特徴を洗い出し、
どの形態のRPAツールと自社の自動化の相性が良いのか調べましょう。

結論としては、以下の3点です。
・規模を拡大していきたい。
 WEBクローリングのみで実現できるなら、クラウド型RPAがおすすめです。
・PC操作を幅広く自動化したい、
 自動化のカスタマイズまたはセキュリティ面を考慮した自動化フローを作成したい場合、
インストール(オンプレ)型がおすすめです。
・RPAツールの無料期間を駆使し、様々なRPAツールを試してみましょう。

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