【働き方改革】残業時間が月45時間以上の時本人へ自動通知する方法

RPA応用編

4月といえば、人々の生活が変わる時期。

特に今年は、日本の法律や制度も大きく変更となる部分があります。
中でも社会人の私たちにとって気になるのは、「働き方改革」として話題となった
「労働基準法」についての変更です。


①時間外労働の上限規制が中小企業にも適用される
 - 原則月45時間・年360時間

②パートタイム労働法・労働契約法・労働者派遣法改正
  (1) 非正規雇用者の待遇に対して雇い入れ時、及び要望があった場合事業主(会社)は
   正社員との合理的な待遇の違いを説明する義務があります。
  (2) 非正規雇用者に関する均等・均衡待遇ルールの整備を行う必要があります。

  (3) 労働行政による裁判外紛争(ADR)解決手続きの整備をすること。



引用:令和2年「4月から変わる制度」こんなにあります! 生活に影響ある「民法」120年振りの大改正

どちらも、働く人々にとって重要であり、今後の働き方を考えていく上での大きな一歩となるように感じています。

今回は、この2点の中から、①の時間外労働の上限規制に着目していきたいと思います。

時間外労働の上限規制とは

長時間労働が原因で命を絶った方のニュースが大きく報道され、世間に衝撃を与えた時期から数年。
この「長時間労働の是正」し、働く人々の健康やライフワークバランスを改善するために、
国が設けた残業時間の上限です。

厚生労働省では、以下のように定義され、ここ数年で様々な企業がこの規制に対応すべく、社内ルールを改定してきました。


残業時間の上限は、原則として月45時間・年360時間とし、
臨時的な特別の事情がなければこれを超えることはできません。
施行 大企業:2019年4月~/中小企業:2020年4月~

引用:厚生労働省HP



規制自体は、昨年から大手企業が対象とされていましたが、今年からは中小企業も対象となるため、入念な準備を進めてきた会社も多いでしょう。
ここで問題となるのが、規制によって増えた業務を誰が請け負うのかです。
各個人の勤怠を確認し、残業時間を計算し、上限を超えていないかどうか管理するというのは、社員の人数が増えれば増えるほど膨大な作業になっていきます。
さらに、上限を超えそう、または超えた人を把握し、規制を守るために何かしらの策を講じなければならないとなると、普段の勤怠管理に+αの作業が発生することになります。

上限規制ができたことで、新たな仕事が増え、余計長時間労働に…なんて問題を浮かべる方もいるでしょう。

そこで、今回は人間に代わって働いてくれるロボット「RPA」を用いてこの+αの部分を自動化してみたいと思います。
今まで行っている勤務情報の管理機能をもとに、「残業時間の上限を超えた人を把握し、本人に連絡を行う」という業務を、RPAツールPINOKIOが自動で行ってくれるように設定していきます。

勤怠管理のツールとしては、弊社が普段使用している勤怠システム「attenly」を使用します。

残業時間が月45時間以上の時本人へ自動通知する方法の流れ

今回は以下のような流れで自動化を行っていきます。


①勤怠システム「attenly」にアクセス
②MFA認証を突破し、attenlyにログイン
③メニュー「提出物管理」から社員の勤怠情報一覧を取得する
④取得した勤怠情報の残業時間を一定時間と比較する
⑤一定時間を超えていた場合はその社員情報からメールアドレスを取得
⑥フォローのメールを送信する



②のMFA認証については、今回は個人のスマートフォンへSMSとして送信するため、
こちらのみ手動で入力します。

※MFA認証とは…
MFAとは、Multi-Factor Authenticationの略称で、多要素認証のこと
アクセスを行うのに、複数の要素(パスワードや暗証番号)を必要とする認証方法である

この流れを、RPAツール「PINOKIO」で作成すると、以下のようなフロー(流れ)となります。


実際に動かしてみると、以下のようになります。

実際のフローのポイント

今回のフローのポイントは

①万がいち人の手がどうしても必要な場合でも、必要に応じてPINOKIOを待機させることができる
②残業時間を取得し、自動でその次のアクションを行うかどうか判断できる
③メールの送信が可能で、メール文などもカスタマイズができる

という3点です。

まず、①「万がいち人の手がどうしても必要な場合でも、必要に応じてPINOKIOを待機させることができる」についてです。
PINOKIOでは、PINOKIO動作中に一定時間動作を止めたいという際に使用できる、
「指定の画像が画面に現れるまで待機する」という待機方法があります。
これは、指定した画像が画面上に表示するまで、その後のフローを実行しないことで、PCのスペックによる動作遅延や、
他のアプリケーションを使用する際の動作遅延などを考慮してPINOKIOを動かすのにとても便利な機能です。
※こちらに関しては、AI判断待ちを行っているこちらの記事をご覧ください。


テレワークでのRPA活用法


突然ですが、みなさんは 「RPA」と 「AI」の違いがわかりますか? この記事を読んでいただいているみなさんであれば どちらかに興味がある人であることは間違いないでしょう。
しかし、興味はあれど、意外と「RPA」と「AI」を混同している人が多いようです。 よく説明されるたとえでいえば、 AI  =脳 RPA  =手 と表現されます。
これは、それぞれの特徴が AI=人間が行うような「判断」が可能 ...



また、セキュリティ上どうしてもPINOKIOがアクセスできない場所に認証コードなどが表示される場合に、
その作業を人間が行うのを待つという動作にも使用できるため、汎用性が高い機能となっております。
もちろん、認証方法によってはすべて自動化を行うことも可能なため、
お客様のニーズに合わせて全自動化、半自動化を調整することも可能です


次に、②「残業時間を取得し、自動でその次のアクションを行うかどうか判断できる」についてです。
これは何度もブログで紹介している通り、決められたルールに従って、YESかNOかを判断し、次の処理を分岐させるという機能です。
今回の場合では、残業時間(残業時間)が一定時間を
超えている場合(YES)はアドレスを取得し、メールを送信する
超えていない場合(NO)は何もしない
という風に分岐されています。

3つ目は、今回ブログとして紹介するのが初登場である③「メールの送信が可能で、メール文などもカスタマイズができる」についてです。
PINOKIOには必要に応じてメールを送信できる機能があります。
複数の「メールテンプレート」を作成することができ、メールの文中に設定する文字も自動的に変わるよう
設定することができるため、一度作成してしまえば、何度でも使いまわすことが可能です。
さらに、メール送信機能の派生的な使い方として、ある一定の条件の人にメールを送る、
「メルマガ」としての役割を代行してもらうことも可能です。
メルマガ配信はメーリングリストの登録を行っていれば普通のメールソフトでも行うことが可能ですが、
PINOKIOにメルマガを配信してもらう場合は、「ブログを更新した」「お客さんが指定のものを購入した」など、
条件に合わせてメールを送信するということ自体を自動で行うこともできます。


以上が、このフローで使用しているPINOKIOの機能のポイントです。

まとめ

残業時間を一定時間以下に管理するために、残業が増えては元も子もない…

そんな問題を前提に今回は「残業時間の上限を超えた人を把握し、本人に連絡を行う」というフローを作成してみました。
「働き方改革」という言葉が使われるようになってから、日本の労働環境は少しずつ改善されて行っていると思います。
しかし、単に残業時間を短くするだけでは、業務時間が足りなくなるだけで、長時間労働の問題は解決できません。

業務自体の見直しを行い、不要な業務を削減し、
RPAなどのツールをうまく使って、人の手がかかる業務を自動化させていくこと
が、今後の働き方には必要となりそうです。

勤怠管理システム「attenly」とは…

勤怠・交通費・関連ファイルが一括で管理できる勤怠管理システムです。
attenlyでは、複数の勤怠方針を登録することができ、勤務先が固定出ない場合でも対応可能です。
また、e-GOV(イーガブ)/電子申請システムやタレントマネジメントシステム、カオナビへの連携が可能で、
attenly(アテンリー)ひとつで様々な事務作業を完了させることができます。
これらの連携済みシステム以外にも、使用中のシステムを連携し、カスタマイズすることも可能なシステムです。

ちなみに、今回attenlyには「残業時間の上限を超えた人を把握し、連絡を行う」という機能がついていないことを想定してPINOKIOを使って自動化しましたが、
「残業時間が月45時間を超える場合に、自動でアラートを出す」という機能は、attenly自体に実装されるようです。
4月中にリリース予定とのことなので、attenlyが気になった方は、以下を是非チェックしてみてください!
attenly

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